7月の13日から17日まで今回の滞在で最後となる3回目の講習会stagesがあった。内容は基本的にこれまでのstagesと同じだから、その説明は省略するが、少し新しい部分もあったので5日間を総括して書いていきたい。
講習会stagesでは様々なアトリエatelierを設定して練習をする。
例えば6メートル先に木のブロックを置いてその先に置かれたブールをティールするアトリエがあり、そこで練習しているとしよう。
ティールは勿論なかなか当たらない。たまにまぐれで当たるだけだ。
そうこうしているとコーチがやって来てアドバイスをしてくれる。
言われたように投げているとティールが成功する。
”ほら、出来るようになったじゃないか!”
とコーチは満足げに立ち去るが、それは偶然に当たっただけかもしれない。
練習を続けても成功率は以前と変わらないようだ。
これまでこんな繰り返しでstagesが進められてきた。
しかし今回は新しい試みとして、アトリエの練習の度に合図が送られると10球投げて何回成功したかを各自記録させられた。
といってもその成績が予備校のように張り出されるわけではなく、練習後のミーティングでコーチが各自に成績を聞くだけだ。
和やかな雰囲気のミーティングで各自が成績を報告すると意外に良い成績を出す人と、逆に意外と成績が悪かった人もいたりして、ペタンクの難しさと言うか奥深さを感じながら自分のレベルを実感することができた。
でも3ヶ月も滞在して3回も講習stagesを受けたのに私のレベルは全く向上していない。
才能がないとしてもこんなものかと随分落胆した気分になった。
滞在も長く講習にも少し飽きてきたので昼食後はずる休みして部屋で昼寝をすることもあった。
最終日も昼寝をしてかなり遅れて午後の練習に参加したら他のメンバーは戦術課題が設定されたゲームで練習している。
私が気もなく参加しようと近づくとヘッドコーチのジョルジュGeorgeが笑顔で近づいてきて、
”私と1対1 tête à têteの試合をしようか?”
と言ってきた。
今回の滞在で最後のstagesで今日がその最終日。
時間も夕方だから彼と試合をしたらそれがstagesの締めくくりとなる。
そう思って試合をすることにした。
レベルが違いすぎるから勝てないだろう、と思ったが、私も最後の試合だから全力で挑戦しようと思った。
参加生は別室で練習している。
参加生のいない広いテランで彼と二人で試合は始まった。
私は1投ごとに持てる知識をすべて動員しようと思った。
持ち時間の1分の間何度もテランを行き来し、テランの特性を調べ、ブールの位置も分析し、サークルに立つ位置やフォームを確認しながら慎重に投げた。
運も幸いし、序盤は私がリードした。
私は感情を抑えて、ひたすら沈黙し、呼吸を整えながら分析を続けた。
一旦彼にリードを許すも、さらに逆転。
終盤は11対11で並んだ。
次のメーヌ、私は3投目がビュットに寄り、リードしたかに思ったが、彼の最終投は私のブールを押して彼が2得点。彼が勝利した。
終始無言でニコリともせずプレーを続けた私を彼はどう思っただろうか。私はそんな不器用な方法でしか全力投球できない人間なのだ。
彼は、
”いい試合だった、よく頑張ったよ C’était une bonne partie. Tu as très bien joué.”
と言ってくれた。
私が無言で握手を求めると、彼は笑顔で抱擁してくれた。
私は緊張が解けてやっと笑顔になった。
確かに負けたけど、次は、いつかは勝ってやるぞ、そんな気持ちが芽生えてきた。
それはいつのことになるだろう。
私の実力ではまだまだ先だろう。
でも不可能ではない、そう思えてきた。
これは素晴らしい教育だったのだろうか?
それは私にはわからない。
でも私はまたペタンクをする気持ちが高まってきた。
私が諦めない限り、私のペタンクは続く。
長いペタンク修行の旅も、締めくくりになりましたか、、、
日本では、またコロナが増えてきました。
私も、人生を楽しむためには、タイミングを待ったりせず、思い切ってチャレンジすることの大切さを、ひしひしと感じる今日この頃です。
無言で笑うこともなくペタンクの試合に挑んでいる様子には、『まじめかっ‼️』とお笑い芸人のごとく突っ込みたくなりますが(笑)、それだけ真剣にのめり込んでいるんでしょうねー❣️
講習会の途中にお昼寝をしてしまうあたりのゆるい感じもまた楽しく、旅行記も残り少しなのでしょうか、、、楽しみにしています❣️
お疲れ様❗️