F.I.P.J.P(国際ペタンクプロヴァンサル連盟)の競技規則が改正となり、フランス等では今年の1月から新ルールが適用されています。
日本のペタンク・ブール連盟は未だ対応したルール改正を行なっておりませんが、近いうちに改正が行われると思われます。
そこで、C.I.E.P(国際ペタンク指導協会)の望月氏から入手した専門誌の記事から改正の概要をお知らせしたいと思います。
(フランス語の解説を私amicalが翻訳したものですから、間違いがあっても大目に見てください(汗)、また概要ですから細かい規則は省略してあります。)
- 個人戦の名称が変わりました。(Article1)
1対1の個人戦の名称が《téte à téte : テータテット》から《individuel : アンディビデュエル》に変わりました。
《téte à téte : テータテット》という一般になじみの薄い表現から、より普通の言い方に改正されました。 - 最小規定距離が短くなりました。(Article6,7)
- 隣接する試合のサークルとサークルの間、ビュットとビュットの間、サークルとビュットの間の最小規定距離が2メートルから1.5メートルに短縮されました。
- また、サークルと障害物等の最小規定距離は1メートルのままですが、ビュットと障害物等の最小規定距離は1メートルから50センチに短縮されました。
- メーヌ初めのビュット投げについて、時間制限制の大会であってもコートの長辺からの最小規定距離が無くなりました。(従来は50センチでした。)
また、コートの短辺からの最小規定距離は1メートルから50センチに短縮されました。
何れもコートを区切って行う大会の試合スペースに配慮した改正です。
- ボールやビュットを濡らして投げてはいけないという制限が撤廃されました。(Article16)
これまででも、雨の日は当然に濡れていましたし、審判が選手の掌を確認するのも困難なことから改正されました。 - 遅刻した場合の失格時間が短くなりました。(Article33)
チームまたは選手が不在の場合、失格となる時間制限が1時間から30分に短縮されました。
試合開始から30分以上遅刻したチームは大会失格になります。また、試合開始から30分以上遅刻した選手はその試合には参加できません。 - マーキング義務が明確化されました。(Article6)
サークル、ビュット、ブールのマーキング義務がこれまで以上に明確化されました。
ただ、その義務違反が直ちに35条の罰則につながるとは明記されていません。
しかし一方で、マーキングされていない場合はルール上の権利が主張できなくなるという不利益を受けます。
また、マーキングせず、審判に注意されても改めないチームは35条の罰則が適用されることもあります。 - ビュットを置き間違えると罰則になります。(Article6)
メーヌ初めにビュットを投げてビュットが規定距離に止まらない場合は相手チームが改めてビュットを置きますが、そのビュットを置いた場所が規定距離でない場合は、そのビュットを置いた選手は直ちに35条の罰則の対象になることとなりました。
意図的な時間稼ぎを防止するための改正です。
さらに再度、ビュットを規定距離に置かなかった場合、罰則はチーム全員に対して課せられます。 - メーヌの開始時期(Article33)
- 第1メーヌはビュットを投げた時に開始します。
- それ以降のメーヌは、前のメーヌの最後に投げたブールが停止した時に開始します。もし測定等があったとしても、それは次のメーヌの時間に含まれます。
制限時間のある試合の場合、測定したり、ブールを探したり、ビュットをゆっくり投げたりして時間稼ぎをすることを防止するための改正です。
以上、改正の概要でした。
詳しい内容はRéglement_Pétanque_au_1er_Janvier_2021を御覧ください。
内容について気付いたこと、質問等があれば是非コメントをお寄せください。
小枝姐さん、先日の電話でのお問い合わせについて一応回答します。
確か、姐さんの質問は計測時間が除外される件の確認だったように思います。
第21条(投球時間)では、投球の制限時間は1分とされています。この1分は直前のボールの停止から計られますが、計測があった場合は、計測後から計られます。(つまり計測時間は投球の制限時間には含まれません。)
この21条については今回のルール変更の対象とはなっておりません。
一方、変更があったのは第33条(遅刻してきた選手)の5項の《メーヌの開始の定義》の部分です。
これまではビュットを投げた時にメーヌが開始するとされてきましたが、
新ルールでは、
・第1メーヌはビュットを投げた時に開始します。
・それ以降のメーヌは、前のメーヌの最後に投げたブールが停止した時に開始します。
となりました。
従いまして、最後のボールが停止してから測定を行った場合、それは次のメーヌの開始後に測定を行っていることになります。
ただし、第21条により。その測定時間は投球の制限時間1分には含まれないことになります。
以上、私が質問を理解した範囲で回答してみました。私が質問を誤解しているのであれば、メールいただければ幸いです。
何より、ブログを読んで御質問頂き、姐さんには心から感謝しています。
改訂版はどこで販売していますか?
川崎さん。コメントありがとうございます。
ずいぶん古いブログ記事のコメントでしたのでうっかり見落とし返信が遅くなりました。
改訂されたルールは、日本ペタンク連盟のサイトで購入できます。https://fjpb.web.fc2.com/kisoku-tebiki/kisoku-tebiki.html#kisoku
また、国際ペタンク指導協会(CIEP Japon)のサイトでは改訂ルールを無料でダウンロード出来ます。
http://www.ciep-japon.com/FIPJP_rule.pdf
お忙しいところ早速 ご回答いただき有難うございます。
新ルールの解釈は全くその通りだと思います。
7.「メーヌの開始時刻」の2つ目「測定等があったとしても、それは次のメーヌの時間に含まれます」の解釈部分で、読み取り方を違えていました。
愛知県では測定やアピールの解決に長くかかりそうな場合は 審判員がタイマーをスタートさせ、かかった時間は試合を延長して実施しました。
そのチームはインターバルの時間も当然少なくなって(なくなって)しまうので、その分も考慮しました。
そして そのコートには専任の審判員が必要となります。
今は 殆どが時間制限のある大会になってしまいましたので、今後は このような事例が多くなってくるのではないでしょうか。
アミカルさんが言われているように、大会は時間制限ありが殆どですので、今回の改正は、それに合ったルールに変更されたということですね。
また4m×15mのコートが取れない大会も多いですね。許される最小の3m×12mコートでは当然ビュットを投げ、止まったラインとの距離や隣チームとのサークルやビュットとの距離が今までの規則では大変やりにくく、投げ直しなどが多かったので、当然の改正といえるでしょうね。
ビュットに最っとも近いボールのチーム選手が間違ってボールを投げてしまったのが判明、しかしコート内のビュット回りのボール配置が変わってしまっていた。両チームとも残りの持ち球あります。
正しい審判の判定は?
又球の配置状況が変化なかった場合は?
審判メモ
お世話になります、富山の塩谷と申します、素朴な質問です
よろしくご回答お願い致します。
試合中ビュットに最も近いボールのチームが間違って投球してしまいました。
直ぐに気づき審判に判定を仰いだ。
この場合の審判の判定は?
1.ボール配置に変化が無かった場合?
2.ボール配置が変わってしまった場合?
塩谷さん、コメントありがとうございました。
ずいぶん古いブログにコメントを頂いたものですからうっかり見落としてしまい返信が遅くなりました。失礼しました。
ご質問の事例は日本ペタンクブール連盟発行の『ペタンク競技 ルールハンドブック』54頁に解釈が示されています。
そのまま引用しますと、
『ビュットとの遠近を誤り、近いチームが投げてしまった場合は、違反投球とはみなされないので、投げられたボールは全て有効となります。この場合、気付いた時点で正しい投球順に戻します。』
以上、ご理解いただけましたでしょうか?
ルールブックに解釈が示されているということは、よく起きる事例なんでしょうね。
またコメントお待ちしています。
了解いたしました、規約解釈奥が深いですね!全て有効として進行するという事の中身を、理解した上での判定でした。有難うございます。
もう一つ質問致します、先日市民体育大会が行われた1場面です。ゲームの始まりに審判が呼ばれそのコートに行きました、驚きましたビュットを投げずに2球投げてしまったということで判定を仰がれました。
判定しました、1球目は練習禁止違反イエロー、2球目は同違反でオレンジカードで1球無効としました。
これでよろしいでしょうか?
塩谷さん、コメントありがとうございます。
いつも興味深い事例を紹介いただき感謝します。
規則題33条5項で第1メーヌはビュットが投げられたときに開始するものとされています。
従って、それ以前の投球は試合開始前の練習投球となります。
試合開始前のコート内の練習の可否について規則は何も規定していませんが、もしその大会規則(ローカル・ルール)で練習禁止とされていたなら、大会規則違反になります。
この大会規則違反の罰則をどうすべきかは審判の判断になります。
私の経験では、大会で禁止されたコート内での練習を知らずに行っているプレイヤーはよく見かけますが、罰則の対象にされた事例は知りません。