フランスのセルジーヌserginesにあるCIEP(国際ペタンク指導協会)本部で毎月開催されるのがペタンク講習会 stages だ。
今月は明日(5月26日)から4日間開催される。
もちろん”ペタンク修行”と銘打ってフランスに来た私はこのstagesに参加するのが主目的なわけだが、5月5日にこの地に来てからもう20日以上が経ちすっかり気分はダレてしまった。
十分な準備期間を取り、万全の体制でstagesに望む予定だったが、当地の気候不順(朝は3℃昼は30℃と寒暖の差が大きい!)と生活リズムの違い(夕食が11時に終わる!)から体調も低調。ペタンクの練習もほとんどしていない。
でも、昼過ぎから参加生が到着し始め、周りは活気づいてきた。夕食にはおおよそのメンバーが集まり、最初のディナーが始まった。
今回のstagesはインストラクターformateurが3人。去年はジョルジュGeorgeだけだった。
新しいインストラクターの一人はパリのナイター大会で一緒にプレーしたジェラールGérard。去年のstagesでも一緒だったから、よく知っている。
もうひとりのインストラクターはチェコから来たピエールPierre。今夜が初対面だ。ディナーの席が隣だったので軽く挨拶した。にこやかだが何か寂しげな感じ。
ジェラールが私のことをピエールに紹介してくれた。
”日本人の彼とはパリのナイター大会で一緒にプレーし、3勝したんだ!”
これに対し、ピエールはにこやかな顔で静かに答えた。
”ペタンクにおいて結果は重要ではないよ。”
えー、初対面なのにいきなりこう来たか!普通は褒めるだろう!
そこで私は、笑顔の彼にこう聞き返した。
”では、何が重要なんですか?”
”ペタンクで大切なのは、昨日より今日が上達していることだよ。”
と、彼は笑顔のまま静かに答えた。
私は人生で初めてチェコ人と話したこのときのことをずっと忘れないだろうと思った。
フランツ・カフカの国の人ってこんななんだ!
と同時に、玉を転がす前に、こんな話をするペタンクの講習会って私は大好きだ!と思った。
やはりフランスまで来たかいが会ったと一人満足し、明日からのstagesへの意欲を無理やり掻き立てたのでした。
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