お勧めの1戦(久々)練習問題付き

昨日今日と続いた今年最後の(多分)大雪でamical君の地方はペタンクもできず、家に引きこもっていました。
そんな時、関西のペタンク屋のフランス人からお勧めの試合の紹介があり、それを見ていて、久々に視聴者の方々(何人いるの?)の暇つぶしに練習問題を上程しようと思いました。

試合は2019年のTrophée l’Equipeの男子ダブルス準決勝イタリア対フランスです。
イタリアチームは同国を代表するtireurのDiego Rizziと僚友のAlessio Cocciolo。
対するフランスチームは、Marco FoyotとChristian Fazzinoという伝説の名プレイヤー。

素晴らしい試合が展開されますが、Rizziの出来が素晴らしく、16メーヌ終わって12対8とイタリアがマッチポイントを迎えています。試合開始から2時間47分です!

ここで、ビュット権を取ったフランスは奇妙な戦術に出ます。
(ここからは動画を御覧ください。)

(解説)
ビュットを持ったFoyotはビュットを6メートルの位置に投げ、第1投をビュットから2メートル手前に置きます。
Cocciolo が3投ポワンテで寄せますが、Fazzinoはすべてカローで打ち出します。
Fazzinoの3投目のカローがビュット前に止まったため。Rizziはティールしますがカローにはならずポイントは取れません。
Rizziの2投目のポワンテはFoyotにカローで打ち出されます。
ここでRizziは3投目をポワンテせずに相手の離れたブールをティールしますが、当然ポイントにはなりません。
最後は、Foyotが3投目をポワンテしてフランスは3点を獲得しました。

さて、練習問題です。

(練習問題1)Fazzino は3投目のティールがカローとなり、自分のブールがビュットの手前に止まりました。観客は湧きましたが、彼は”しまった!”という失敗の身振りをします。
なぜ彼はそう思ったのでしょうか?

(練習問題2)Rizziは最後の球をポワンテせずにティールして相手のブールを打ち出しました。なぜそうしたと思いますか?
また、もし彼がポワンテしていたら、結果はどうなっていたと思いますか?

練習問題の回答、というか動画の感想をコメントでお寄せください(何通来るか?)。
また、時間のある方はこの試合を最初から観戦してください。素晴らしい試合です!

“お勧めの1戦(久々)練習問題付き” への9件の返信

  1. 問題1コメント
    ビットにカローしたブールが寄りすぎて、イタリアがティールすればビットアウトになってしまうか、ドローとなってしまう。
    また、ビットが移動すれば手前にあるブールが得点に絡まなくなってしまう。
    問題2コメント
    フランスが4点あり、5点取られたらゲームセットになってしまう、
    ティールすることにより最大4点で抑えれば、同点となり次のメーヌに進むことができる。

    1. 眞也さんコメントありがとうございます。
      さすがの即時正解回答です。
      ただ、正解と言ってもそれは私のような初心者が試合を見て解釈した正解に過ぎません。仏伊の一流プレイヤー達は何を企てどう攻防したのか、まだまだ深い解釈があるのではないでしょうか?
      眞也さんほどのベテランならこの試合から何を読み取りましたか?
      私の知らないもっと深いペタンクールたちの深謀遠慮を読み解き、私に教えて下さい。

  2. 問1
    ビュットのそばにカロできたことは凄いですね。しかしイタリアは当然これをティールします。ボールに当たればビュットも一緒に飛んでドローにできるからです。(残念ながら成功しませんでしたが)だからこうなりそうな場所に置いてしまったことをFazzinoは後悔したのです。
    問2
    Rizziはフランスに4点以上取られないようにするためだと思います。ポアンテしていたら負けで終わったかもしれません。

    1. 小枝姐さんコメントありがとうございます。
      当然の正解です。(易しすぎましたか?)
      それにしても、練習試合でもない大大会の準決勝の、それにマッチポイントを握られた状態で、よくあんな戦術が打てますね!
      FoyotもFazzinoもとぼけた顔でブツブツ話しながら、しかしちゃんと考えて大胆に勝負してます。
      さすがは伝説の名プレイヤーと思いました。

    1. 澤柳さんコメントありがとうございます。
      頭脳的で奥が深いというのがまさにペタンクの本質であり魅力ですね。
      フランスのFoyotとFazzinoの二人は少なくとも65歳は越えていますが、まだ第一線でプレーしています。
      若さや体力を超えたものがペタンクでは重要ということでしょう。
      お互い勇気づけられますね!!!

  3. 問1 について
    Fazzinoのカロボールは最も適切な位置に止まったと私は考えます
    Fazzinoのあの表情は彼の勘違いだったと思います 
    一般的にボールがビュットに接することは試合途中では失敗ですから 彼も「無意識に不機嫌な振る舞い」をしたのでしょう
    仮にFazzinoの満足のいくカロボールがビュットの近く10cm程に残った場合 残りボールに不利なフランスが このメーヌで負けになる可能性が非常に高いと思われます(レベルの高いチームは 6mの近距離ならカロする確率が高い)
    また Fazzinoのカロボールがティールされ ビュットが飛んでドローになれば フランスにとって再度試合ができ 逆転の可能性を得ることができます (ビュット権はフランス)
    重ねて Fazzinoのカロボールは 最も適切な位置に止まったと考えます

    問2について
    Rizziのティールは戦術ミスと考えます ここはビュット左奧フランスボール2個の手前ラインをつぶすポアンテが適切と考えます 
    戦術的に4点取られない作戦がこの場面の最適解と思われます 
    イタリアのティールがカロになったとしても フランスに再ティールされ 5点取られるリスクが考えられます 
    amical さま  いかがでしょうか
                    

    1. 古木翁コメントありがとうございます。
      新しい解釈を出していただいたおかげで、
      amicalとしても再度試合を見て考えることができました。
      こうした知的刺激が一番嬉しいです。

      さて、以下に私の解釈を書き連ねます。

      1.Foyotの投球成功率評価について、
      一流選手といえども6mの距離で100%カローをすることは難しいと思います。
      FazzinoやRizziでも、6mのティールは外さないでしょうが、カローの確率は60〜70%ではないでしょうか?
      Foyotも6mのティールは成功率100%と評価しましたが、カローとポワンテは成功率100%未満と評価したと思います。

      2.Foyotの作戦について、
      1の投球評価を前提に、Foyotは次の①〜⑤の流れを想定して作戦を立てたと思います。
      ①フランスが最初の投球を行うため、持ち玉では常に不利になる。相手がミスをした時点で有利不利が逆転しメーヌを取ることが出来る。
      ②6mにビュットを置きその2m手前に第1投をポワンテすれば、マッチポイントの相手は複数点の必要がないため保守的に必ず第1投をポワンテしてくる。
      ③相手がポワンテしてきた球をすべてティールで打ち出す。6mなら100%ティール出来るし、その60〜70%はカローになり、味方のカロー球がビュット近くに溜まる。
      ④カロー球が溜るとポワンテの範囲が次第に狭くなるので、相手は何投目かでカローミス(ティールは成功するが、球がポイント圏内に留まらない)あるいはポワンテミスをするだろう。そしてこの時、持ち玉の有利不利が逆転する。
      ⑤味方が有利になれば、相手の残りの投球を全てティールで打ち出せば、味方がメーヌを取ることが出来る。

      3.Fazzino の落胆について、
      実際の試合はFoyotの作戦通りに進みますが、Fazzinoのティールは全てカローになり、狙い以上の結果を出しました。そのため、メーヌを取るだけでなく、大量得点、場合によっては5点獲得でゲームセットも見えてきました。
      そんな時、Fazzino のカロー球がビュットに接してしまいます。相手のティールでビュットが大きく移動すると大量得点がふいになってしまいますから、Fazzinoが大きく落胆したのはそのためはないかと思います。
      逆に、翁はFazzinoのカロー球がビュットの近く10cm(ビュットに連動しない場所)に止まったとしたらフランスは不利になった、とおっしゃいますが、私はそうは思いません。持ち球数の不利はフランスが第1投を投げた当初から変わっておらず、イタリアがノーミスを続ければフランスはメーヌを失います。確かに、Rizzi はFazzinoのカロー球をカローするかもしれませんが、Foyotがそれをティールで打ち出せば当初の作戦通りです。またもしRizziのティールが失敗またはカローミスの場合は、その時点で持ち玉の有利不利が逆転しますからフランスがメーヌを取る可能性が高くなります。(実際そうなりました。)

      4.Rizziの最終ティールについて、
      ビュットに接したカロー球をティールしてビュットを移動させようという狙いは失敗しました。またカローミスになったため、この時点で持ち玉の有利不利が逆転しました。最後の球をポワンテしても、それが打ち出されると5点取られてゲームセットです。
      ここでRizziの選択は、次の①〜③だったと思います。
      ①絶対打ち出されない場所にポワンテする。
      ②ビュットをティールして相手に1点を献上する。
      ③最も確実に打ち出せる相手球をティールして相手の得点を4点以下に抑え、勝負を次のメーヌに持ち越す。

      翁は①がベストな選択だと言われますが、ビュット左方の相手2球の手前ライン上にポワンテしても打ち出される危険は大きいと思われますし、そんな正確な位置にポワンテするのは砂利のテランでは至難とも思われます。
      また、②のビュットティールはRizziでも成功率が低いですから、除外されます。
      結論として、③のティールが一番現実的だと思います。そして、手前の相手球はティールしても相手の球に当たって留まる危険がありますから、一番確実に打ち出せる相手球とはビュットの左方奥にある球になります。

      以上長々と素人考えを書き連ねました。
      続きはぜひともお会いして議論したいですね。
      時間をかけてゆっくり分析し考えを深めることでペタンクの楽しみがこんなにも増すとは感動でした。
      翁には感謝の言葉もありません。
      いつの日か眞也さんも交えて戦術談議が出来たらもっと楽しいでしょうね!
      そんな日を心待ちにしております。

  4. さすが amicalさん よく分析されていますネ。
    これほどの分析力があるペタンクールは 日本では まだ少ないと感じます。
    貴「ペタンク戦術分析ブログ」が より多くの人々に読まれることを祈ります。

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