南仏で中休みentracte（その２）パン屋のマダムも中休み

20日21日22日と3日間何もしないで中庭の長椅子に寝そべり、アンドッシュさんの作るフランス郷土料理や奥様の惠依子さんが作る日本料理を食べワインを飲んでいるうちに体調は徐々に回復してきた。

”今日はテラソンTerrassonでマルシェmarchéがある日だけど、散歩がてら行ってみない？”
と惠依子さんに言われ、ようやく重い腰を上げて麓の町テラソンまで車で出かけた。

街の中心を流れるヴェゼール渓谷La Vézéreに橋が2つ懸かり、その2つの橋の間にマルシェの店が出ている。
野菜や肉、チーズや惣菜の店などが100店舗ほど出ていただろうか、惠依子さんは店の人や偶然出会った知人と話しながら買い物をしていたが私は買い物に興味がないのでぶらぶら後を付いて歩くだけだ。

”少し離れたところに美味しいパン屋があるの。マダムが少し変わった人で、ご亭主と使用人を追い出して一人で切り盛りしてるんだけど、パンはとても美味しいのよ。”
と惠依子さん。

美味しいパンより変わったマダムに会いたくて行くことにした。

店の前まで来ると張り紙がしてあって店は閉まっている。

張り紙を見て思わず笑えてきた。

それにはこう書いてあった。

A ma chère clientèle
親愛なるお客様へ　
Désolée je me sens trop fatiguées ,j’ai besoin de me reposer j’ai une décision importante à prendre
悪いけどもう疲れてしまったので休ませてもらいます。
La boulangerie sera fermée jusqu’à dimanche pour congés annuels, Merci de votre compréhension,
お店は次の日曜まで休みです。御理解の程を。
Votre artisan boulanger Sylvie Chastagner,
パン職人シルビー・シャスタニエ

いつの日か骨休めを終えたマダムのシルビーSylvieに会って《休養》の大切さを語り合いたいと心から思った。