ペタンクの大会で最高峰の大会と言えば、全仏選手権?世界選手権?と意見はあるだろうが、最大のイベントは何と言ってもマルセイユのボレリー公園 le parc Borelyで開催されるマルセイエーズ大会Mondial La Marseillaise à pétanqueだろう。
1962年から始まったこの大会は参加者が毎回4千チームを超える世界最大のペタンク大会だ。
漫画『PASSION PÉTANQUE』でも紹介されているこの大会は、毎年7月に5日間ボレリー公園の路地や市内各所の会場で試合が行われ、決勝はマルセイユ旧港の平底船上のテランで行われ、観客も5日間で15万人を超える一大イベント。
この大会のことを調べてyoutubeを見ていたら思わぬ発見が2つあった。
一つは1991年の大会動画を見ていたら何と「長良川鵜飼」と書かれたハッピを着た日本人が登場したのだ。それも見覚えのある女性だった。
”ひょっとして、伊奈先生?”
伊奈美智子先生は元岐阜女子大学のフランス語の教授。ご主人と共に岐阜・愛知地区のペタンク普及に尽力された方だ。動画の4分15秒過ぎにご主人が登場し、5分6秒過ぎ頃にご夫妻で登場されるのでぜひご覧いただきたい。
当時マルセイエーズ大会に参加した日本人はそれほど多く無かったはずだから、かなり貴重な映像だろう。写真を撮りながらプレーを楽しみ、負けたあとはインタビューで”また来年 à l`année prochaine”と明るく答えている姿が微笑ましい。
実は、この動画の3年ほど前に私は伊奈先生とパリで数日ご一緒したことがあった。家内と1月ほどヨーロッパを周遊し最期の逗留先のパリで先生と落ち合った。(詳しい事情を言えば、家内も岐阜女子大学で教鞭を取っていて、伊奈先生の同僚だった。)
数日パリでご一緒し、色々話もしたが、不思議なことにペタンクの話は全くされず、私もペタンクというものを知ることもなかった。
もしこの時先生にペタンクを誘われていたら、今頃私は相当なベテランプレイヤーになっていただろうに…残念なことをした。
もう一つの発見は、1993年大会の決勝を見ていたら、優勝チームにクロード・ブルゴスClaude Burgosと言う選手がいた。
またもやひょっとしてと思い、関西でペタンクショップ「クプレ」を経営しているパスカル・ブルゴスPascal Burgos氏にメールで問い合わせたら、なんと彼の父親だった。
記録を確かめると、1993年のマルセイエーズ大会の優勝チームはNoël Bengler, Claude Burgos, Éric Kalazicの3人。
ブルゴスBurgos氏はそのチームリーダーだった。
マルセイエーズ大会の優勝者のご子息が日本でペタンクショップを経営しているというのも日本とペタンクの不思議な縁の一つだろう。
ご子息のパスカルは現在プレイヤーとして日本で活躍している。私の住む岐阜県の大会にもよく参加し、何度も優勝している。私ともメールのやり取りをする友人だ。
彼もスイス人とフランス人のチームでマルセイエーズ大会に出場し、8回戦まで勝ち上がったことがあるという。これも立派な成績だ。
しかしこうしてペタンクと日本との縁を調べているとまだまだ知られていない縁がありそうだ。日本にペタンクを根付かせるために多くの先人達が人知れず努力してきた。
私もその一人に加えてもらえるよう頑張ろう!
不思議な縁ですね!